2004年 クリスマスプレゼント 『イヴをあなたと…』
沙夜麗 様2004/12/24






「っとにもう、何でこんな日に遅刻するのかしら…。あいつは...。」

私は巨大なイルミネーションツリーの前で一人溜息をついていた。
そりゃあね…。
メールで「すまん!残業で遅くなる!」って送ってきてくれていたわよ。
でも、こんなに遅れるなんて思ってなかったわよ!
全く…、これじゃあ、あの時と同じじゃない…。



イヴをあなたと…









高三のもうすぐ冬休みが始まろうかというある日。
大介が突然こんな事を聞いてきた…




「なぁ…。あ、あのさ、12月24日って空いてるか?」

「えっ?...あっ、ああ、うん。空いてるけど?何?どうしたの?」

「コレッ!」

そう言って大介が渡したものは...

「何?コレ...。ホテルのディナーチケットじゃない?どうしたの?このチケット…。」

「実はさ、そのチケット。親父とおふくろが常連客からもらったものなんだけど、当日仕事が入っちまって
行けなくなったんだよ。で、せっかくだから、その〜、一緒に行かないかな〜と思って…さ。」

「えっ…?…え〜〜〜〜〜〜〜!!」

「…何だよ?何も大声出す事ねーだろ...。」

「ごめん…。うん!行く!行きたい!私!」

「そ、そっか…。じゃあ、6時に夢ヶ丘広場のクリスマスツリーの前で待ち合わせな!」

「うん!わかった!」



それから、私はその日が来るのが待ち遠しくて待ち遠しくて......
その日が来るのを指折り数えて楽しみにしていた。
前日なんて着ていく服をあれこれ悩んだりして...


それなのに…、それなのに!!!

当日、大介は……


「遅い。遅いわ!いくら何でも遅すぎる…!いったい何やってんのよ〜!もうっ!!.......ひょっとして…、
何かあったんじゃ…。やっぱり...、心配だから、一度大介の家に行ってみようかな…。」


そう思って大介の家に向かおうと振り返ると…


数十メートル先の暗闇の中から、こちらに向かって走ってくる人影が見えた。
暗くて顔は見えないけれど、私にはすぐにわかった。
あれは……



―――大介だ!―――




しばらく私がビックリして立ち尽くしていると、大介が私の元へ駆け寄ってきて肩で息をしながら、

「ごっ、ごめん。遅れちまってホントごめん…。」

「…なっ、何よ…。何で遅くなったのよ。…私は昨日まで、ずっとずっと楽しみにしてたのに…。
こんな日に遅れて来なくてもいいでしょ!!大介のバカ〜!!!」

「だっ、だからごめんって…。」

「…それに…大介に…、何か…あったんじゃないかって…心配…したんだからね…!!!」

私は段々、頭に血がのぼって、大介を責めていた......
こんな日にこんな事言いたくないのに...
...ううん、こんな日だからこそ、言ってしまうのかもしれない...。
こんな日はあの時を思い出すから...、一人でいる事が耐えられなくなってしまう...。
あの日を......

みらいちゃんを未来に帰した...、
あの日を思い出すから・・・


大介もそんな私の気持ちがわかっているのか、しばらくは私に言われっぱなしのまま何も言おうとはしなかった...







しばらくすると、大介が私の手を握ってきて、

「あ〜あ、こんなに冷えちまって…。」

と言いながら私の手を自分の手で包み込んで暖めてくれた。


「...なっ、何よ...、それはあんたのせいでしょっ...。」

「ああ、悪かったよ。………。で・も、こうすればあったかくなると思わねえ?」

そういって大介はふわっと私の事を抱き締めた…。

「〜〜〜っ///なっ、なっ...!?...こっ、こんな事で誤魔化されないからねっ///私、本当におこってるんだから!」

「うん...。わかってる…。」

「何よ...、バカ...。バカ、バカ!大介のバカ…!バカ...、バカ、ばか、バカ〜!バッ…!!!」

それ以上まだ、言い続けようとしていた私の口は、敢無く...、大介の口によって塞がれてしまった...。







しばらく、大介の胸の中で私が黙り込んでいると、、大介がポツリポツリと話始めた・・・。


「こんな日に待たせちまって…、ホントに悪かったよ…。でも、仕方無かったんだ...。出しなに大平が熱出してさ…。
でも、家に誰も居なくて、俺が病院に連れていくしかなかったんだ。それで…。」

「えっ?!じゃあ今、大平ちゃん一人なのっ?一人で放ってて良いの?」

思わず私が顔をあげると、一瞬、大介はびっくりした顔をしたけど、すぐにふっと微笑んで、

「まったく、お前は...。」

と呟きながら、さっきよりも更に強く私を抱き締めた...。


「大丈夫だよ。今は徳さんが見てくれてるから...。薬飲んで、熱もちょっと下がってるみたいだし...。
今はぐっすり眠ってる。丁度、病院から帰ったら徳さんも帰ってきてたんで助かったよ...。だから、今は平気さ...。
それに...、これ以上待たせちまったら…、なつみまで凍えて風邪ひいちまうかもしれね〜しな…。」

「…大介……。」





















ふと、私はあの時の事を思い出していた。

「ほんと、あの時と変わんないわね…。」

口からは憎まれ口が零れてくる。
でも、その顔は微笑んでいた。



「ホントにあなたのパパはしょうがないわね〜。…ねっ、みらいちゃん。」

と私は腕の中ですやすやと眠る愛娘に語りかけた。すると、


「…っおい…、みらい…に…変な事…吹きこむ…なよ…。」

いつの間に来ていたのか、肩で息をした大介が現れた。
よほど急いで来たのだろう。まだ少し苦しそうだ。

「あらっ、だって本当の事じゃない?」

と振り返りながら私は答えた。

「確かに『遅れる』ってメールはもらいましたけどね。1時間も待たされるとは思わなかったわよ…。」

「悪かったよ。…でも、突然仕事が入っちまったんだからしょうがねーだろ?」

「そりゃそうかもしれないけど、何もこんな日にまで遅れてこなくてもいいでしょ?」

「だーかーら、悪かったって!もう許してくれよ!なっ?」

「そんな事言っていっつもじゃなっ…っん…!」

まだまだ言いたい事があったけれど、それ以上は言わせてもらえなかった…。





ようやく唇が解放されると私は、

「また、こうやって誤魔化すんだから…///  でも…、あの時と一緒ね...。」

「あの時?」

「そう、あの時。私たちが高校生の時!大平ちゃんが熱出して…、あの時も大介が遅れてきて私が怒ってたのよね...。」

「ああ、あの時ね…。でも…同じじゃないぜ…。」

「えっ?」

「今はこいつもいるからな…。」

そう言って大介は私の胸の中で眠る愛娘を見てふっと微笑んだ。

「そうね…。」

私もつられて微笑んだ。









今は私たちの間にあなたがいる…。

私たちの何よりもかけがえのない宝物であるあなたが…

あなたがいれば私はあの時のように寂しくなんかないの、

あなたと大介さえいれば私にとって最高のクリスマスになる......







☆後書き☆

バカです…。もう私の脳ミソは腐ってます...;
何かキャラが違ってきてるし......

大介となつみのクリスマスの過去と今を書いてみましたv
なつみは絶対、大介とみらいちゃんがいる今がきっと一番幸せなんだろうな〜と思いますv
大介が傍にいたら、それだけで幸せ一杯だろうけど、クリスマスは少し特別なんだと思っています。
だって、みらいちゃんを未来に帰した日ですから...
この日だけはなつみは一人になる事を嫌がるような気がします。もっと、その辺の描写を詳しく表現したかったんですが、
私の文章力が足りませんでした…;





うくくくくく・・・・・・ 顔がマジでにやけちゃいます〜/////
沙夜麗サンからクリスマスプレゼントを戴いちゃいました〜!!!
あぁ〜 もうマジで踊り狂いたい気分です!!

もう素敵ー!!(すーてーきーーーすーてーきぃぃぃーーー(遠吠え?))

脳味噌トチ狂ってんのは、間違いなく朝比奈だと思いマス(笑


沙夜麗サンの小説は大なつの自然なキスシーンが書かれておりまして、このシーンがもうたまらないのですヨ!!
何だかマラカス持って踊りだしそうな勢いですが、ちょっと大人になった感じの二人がイイ!! 。゚+.(・∀・)゚+.。゚

やっぱり高3の時と社会人のときでは、大介の態度(対応?つーか行動)も全然違いますよね〜
こうやって彼は大人になっていくのか。。。 (爆
なつみのために突っ走って全力疾走する、っていうのは一生変わらなそうですが、やっぱり大人になったって感じです〜♪
で、みらいちゃんが10歳くらいになったら、イチャつく両親に対してツッコミが入る、って感じでしょうか (笑



ちなみに、朝比奈もなつみがクリスマスに一人になることを嫌がるんじゃないかと思います (^ ^;A
(現にそのネタで冬本に少し描いちゃいましたし…)

でも大介が居て、みらいちゃんが居て、昔の苦い思い出は消せないだろうけど、楽しい思い出がどんどん増えていって、
次第になつみもクリスマスを楽しめるようになるのでは?なんて思ったりします。


素敵な小説をありがとうございました〜 m(_ _)m






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