2005年 誕生日プレゼント |
松山アキラ 様 (2005/3/29) |
1
梅が咲き、気象庁の「桜開花宣言」を今か今かと待ち望んでいる時期。
春の陽気と冬の寒気が交互にやって来る、文字通り「三寒四温」の日々に、なつみさんがピークを過ぎたインフルエンザに罹ったようですの。
なつみさんが大学を卒業して1年後、ご両親は再びロンドンへ行かれ、現在水木家には若夫婦…大介さんとなつみさん、そしてみらいちゃんの3人が暮らしていますわ。
なつみさんがインフルエンザで倒れ、頼りの大介さんは今日から出張。
大介さんが帰ってくるまで、みらいちゃんのお世話となつみさんの看病を、私、山口佐和子が引き受けることになりました。
久しぶりの水木家。チャイムを鳴らしましたが、誰も出てきません。無礼ですが仕方ありません。勝手に上がらせていただくことにしました。
「おはようございます。佐和子です。あがらせてもらいますよ?」
すると、2階の寝室から、真っ赤な顔をしたなつみさんが降りてこようとするではありませんか。
「…すみません…お義母さん…今お茶を…」
「なつみさん、そんなことはいいですから、寝ていらして。」
「でも…」
「…なつみっ!何やってんだお前!寝てなきゃダメだろうが!」
今までどこにいたのでしょうか(お手洗いでしょうか)、大介さんが奥から出てきましたわ。私に「おふくろ、すまねぇな。」と言いながら、走って2階のなつみさんのもとへ行き、横から支えます。
「ごめん大介…こんな時に風邪ひいちゃって…お義母さんにも迷惑かけちゃって…みらいちゃんは…」
「馬鹿、俺たちに気を使ってどうすんだ。お前はゆっくり休めよ。」
熱で朦朧とするなつみさんを抱え、寝室に連れて行きます。本当に、大介さんはなつみさんを大切にしています。私は嬉しくなりました。
リビングで待っていると、大介さんがみらいちゃんを抱いて降りて来ました。
「…何笑ってんだよ、おふくろ。」
「いえ、大介さんは本当になつみさんを大事にしているのがわかって、何だかとても嬉しくなったの…」
どうってことねぇよ、と赤くなって悪態をつく大介さん。母親にそういうところを見られるのは恥ずかしいのかしら。いつまで経っても、息子というのは可愛いものですね。
「それに…思い出したのよ。あの時の事。」
「あの時??」
「…みらいちゃんが帰る前夜のこと。大介さんがクラスのみんなとうちに来たでしょう?その時も大介さんは、疲れきったなつみさんを優しく労わってたわ。」
「…そんなこともあったな…って、もうこんな時間かよ!?悪ぃおふくろ、俺はもう出るけど、なつみとみらいのこと、頼んだぜ!」
慌てて玄関を飛び出す大介さん。お見送りしながら、私はあの時の事を思い出していました。
2
「まだタイムマシンの完成には時間がかかりそうだ。なつみ、お前は少し寝てろ。」
タイムスリップは明日。マスコミを振り切り、何とか山口家の倉に隠れることに成功した。クラス全員でマシン製作を手伝っている。
「…ううん、私は大丈夫だから…」そう言ってみらいを抱きしめる。しかし、全然大丈夫でないことはすぐにわかる。
「…その子がみらいちゃんね。大介さんから話は聞いているわ。みらいちゃんは私が見ておくから、少しお休みなさい。みらいちゃんの為にも、今は体力を回復しなきゃね?」
そういうと、佐和子はなつみを寝かせた。余程疲れていたのだろう。なつみはすぐに寝息を立てはじめた。
居間にみらいを連れて行き、慣れた手つきで大介はオムツを替えていく。みらいの服に付いているペンダントに、星型のバッグから延びたコードを当てると、バッグのポケットからオムツが飛び出してきたのだ。
「…とても変わったバッグね。それにしても大介さん、本当にお上手…」
「まぁな。何度もコイツのお守をしてるからな…俺はみんなを手伝って来る。みらいのこと、頼むぜ。」
大介は佐和子にバッグの使い方を説明し、倉の方に駆けて行った。佐和子はすがりつくみらいを抱いてあやした。その時、みらいのペンダントが取れて足元に落ちた。
「あら大変。すぐに付け直してあげますからね。」
ペンダントを拾い上げると、星型の不思議なバッグが目に留まった。
「確か、このコードをこれに当てると…」
佐和子は興味深々にバッグのコードを拾ったペンダントに押し当てた。
すると、先程とは違う『ピーン』という音がして、バッグの前面にあるロゴマークの所が開き、中にプレートが入っていた。
「何かしら…?」
そのプレートを取り出し佐和子はそこに書いてある文字を見て絶句した。
そこには、『水木みらい』という名前とともに、住所が記されていた。
そして…『緊急連絡先 水木大介 090-****-****
水木なつみ 090-****-****』
見慣れない数字はきっと電話番号だろう。佐和子は似たようなプレートを見たことがあった。彼女の息子、大平も持っている。
「これは…迷子札…ということは、緊急連絡先はみらいちゃんの両親…水木大介?…まさか…」
きっと偶然だろう。将来他の「大介」という男性と出会うかもしれない。
そう自分に言い聞かせ、プレートをしまった。
傍にいるみらいを見ると、やはり疲れていたのだろうか、眠り始めていた。そして、寝返りを打つしぐさを見て、佐和子は再び絶句した。
「あの変わった寝返り…あの人がいつも横でしてるのと同じ…大介さんも、大平も、同じ寝返り…」
大介を信じていないわけではなかった。大介が自分に嘘を付く筈がない。
その大介が信用しているなつみも然り。それでも、未来からタイムスリップしてきたという話を、全て納得したわけではなかった。しかし、このプレートの存在、みらいの見慣れた寝返りのしぐさ、そして何よりも自分の直感から、佐和子はそれが真実であることを確信した。
その後佐和子は、全身全霊で、山口家の総力を用いてなつみたちをサポートした。もちろん、プレートを見ていなくともできる限りのサポートはするつもりだったが、自分にも無関係ではなく、むしろ自分にも重大な関わりがある事を知った以上、じっとしてはいられなかったのだ。
みらいが未来に帰る時、遠くから見ていた佐和子はこう呟いた。
「みらいちゃん…15年後、また抱っこさせてね...おばあちゃんに…」
3
私が思い出にふけっているうちに、いつの間にかみらいちゃんは眠っていました。あの時見たのと同じ寝返りを打ちながら…
あの時予想した通り、ペンダントは迷子札の役目も果たしています。
ペンダントを外した状態でコードに当てると、バッグからプレートが出てくるし、ペンダントを付けた状態の子どもが迷子になっていると、警察等においてあるパソコンでその情報を読み取って、親を探し出すことができるようになっていますの。
久しぶりに、バッグからプレートを取り出してみました。みらいちゃんが生まれたお祝いに、私がこのバッグをプレゼントしたのですが、その時に、このプレートも一緒に付けました。15年間、自分の心の中にしまっておいたこのプレート。大介さんとなつみさんが結婚した時に、このことを言ってしまおうかとも思いました。さっきまで、いつか言おうと思っていました。
「…やっぱりこれは私とみらいちゃんだけの秘密ね。」
窓から、春の匂いがしました。
やったー!! v(≧▽≦o) 佐和子さん視点の小説です〜♪ 佐和子さん大好き〜☆ 誕生日プレゼントとしていただいちゃいました☆ うーん… ホントにありえそうな話 (笑 だって佐和子さんはこんな感じの人だと思う。 何か秘密を知っちゃっても、それをずっと自分の心の内に秘めておきそうな感じが します (^ ^;A 小説を書くときって、ママ4原作にいかに本物らしい話をくっつけるか、ってことだと 思ってますので (朝比奈は) 、あまりにもママ4離れ(ママ4離れってなんだ?) した話を加えたら自然さがなくなってしまうような気がします 。゚(゚´Д`゚)゚。 個人的にこのブローチ&佐和子の秘密☆ (笑) はありえそうな話じゃないかなぁ なんて思います。 少なくともお世話バックからオムツやミルクが入ってて、ポンって飛び出してちょっと 握ると卵が大変身☆っていうのよりかは、ずっと現実的な気がします (爆 で、何で佐和子さん視点かというと、前回朝比奈が書いた小説に色々ツッコんで くださったんですが、実は佐和子さん主体の話を書いてみたかったとお聞きしたん です。 今回佐和子さん主体で来るとは思ってなかったのですが、誕生日プレゼント小説で よければ…って言ってくださったので、すかさず 「大なつの激ラヴ×2な熱〜い小説」 っていう人間としてどうしようもないリクを出し、こんな素敵なものを書いてもらいまし た〜♪ くく… チビ大介とデカ大介、両方出てきてカッコいい!!! あぁ、、、大介ってばホントにこんなパパになりそう… 大介が旦那さんだったらどんなに幸せなことか… ○| ̄|_ てか、なつみって世界で一番幸せ者な気がしてきた… (`Д´) はー、2階のなつみの元へ走っていって、横からパッと支える… ずるいよー!!! (壊 「なつみ、お前は少し寝てろ。」 こんな台詞言われてみたい… ((((;゚Д゚))) 放映でも大介は佐和子さんにみらいの秘密を打ち明けてますが、大介が佐和子さん に頼むってコトは、それは佐和子さんを信頼しているからであって、そういうことから、 佐和子さんの人間性がよく出てるなぁなんて思ってました (放映で) でも、佐和子さんが仮に大介となつみの未来を知ってしまったとしても、絶対にそれを 口には出さず、二人を温かく見守っていたんじゃないかな?って思います。 ある意味一番強い人な気がします (爆 こんな素敵なものをありがとうございました☆ 相変わらずワケのわからないツッコミでごめんなさい (爆 |
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